「🇵🇪 カエルのエキス・ジュース（JUGO DE RANA）🐸」

インカの首都クスコ、南部アマゾンのプエルト・マルドナード市、マカで有名なアンデス高地の町フニン、コカ葉の栽培地ティンゴマリアと目まぐるしく探検し約２０日ぶりに首都リマ戻ってきた。しかしリマのあまりの空気の悪さに気分も体調も最悪、ずっとアンデスの高地やジャングルの空気の美味しい所にいたためリマの空気のまずさが気になって仕方がない。

首都リマは海岸砂漠地帯に位置し雨は少ししか降らない、10月のこの時期は、だいたい３日ごとに太陽が少し顔を出す程度でほとんどの日はくもり空だ。リマは６８０万の人が住み日本の古い中古車が所狭しと排気ガスをばらまきながら走っているため外を歩いていると鼻は詰まるしすぐノドにタンが絡む。３年前の１２月にリマに滞在していた時は扁桃腺が腫れあがり熱が３９度も出たため、すぐ薬局に行って注射器と解熱剤を購入し近くの診療所でおしりに注射を打ってもらい熱を下げながら仕事をしていたこともあった。

このままリマにいてカゼでもひいてこの後の仕事が出来なくなっては大変と思い友人に「元気になる栄養剤みたなものない？」と聞いたところ「体に良いジュースを売る店があるから飲みに行こう」と連れていかれた所がカエルジュースを出す専門店だった。

店先には、水槽がありその中に色々な模様の大小の生きたカエルがうごめいている。カウンターでは若い女の子がジュースを注文していた。私も恐る恐る店のおばちゃんにカエルジュースを一杯注文する。するとおばちゃんは水槽から一匹のカエルを取り出して棒で叩いて皮を剥き始めた。（さすがにカワイソウで見てられない）皮を剥いだカエルは熱したスープの鍋に入れられグツグツと煮出され鍋から白い泡が浮いてくる、その間ミキサーにはミルクのようなスープを別の鍋から入れていた。少しすると煮ていた鍋のカエルをミキサーに入れ、色々な色の液体と粉末を適当に入れ始めた。最後にミキサーのフタをして30秒回したものをザルで濾して出来上がりだ。もうカエルの姿はどこにもない、いつのまにかピンク色になっていたそのジュースをプラスチックのコップに注いでもらい受け取ると少し温かい、勇気を出して少しずつ飲んでみる、ちょっとアルコールの味がするが甘味もある、今まで味わった事のない不思議な味が口の中で交差している。半分飲んで友人に進めると「飲めない」という（人には飲ませておいて何を言っているのか）と思い。何でかと聞くと昔、生きたカメが調理されるのを見てから生きた動物を殺して食べたり飲んだりするが出来なくなったと言う。その割に彼は鳥の丸焼きや豚肉、牛肉が大好物なのが不思議だ。

店の周りを見渡すとこのようなカエルジュース・スタンドが何店かあり老若男女、次から次にお客がこのジュースを飲んでいく、私はペルーに２０回近く来ているが今までこんな店があるとは知らなかった。

この後このジュースを飲んだからか判らないがリマでの残り２０日間のハードな仕事を無事元気にこなすことが出来た。

■ その時撮った写真