「🇵🇪 アマゾン熱帯魚の輸出シッパーたち🐠」

イキートスの街並と熱帯魚輸出シッパー
トロピカル・フィッシュの輸出国と聞くとブラジル・マナウス市が有名で市場でも大きな割合を示しています。しかしペルー・イキートス市からも何十年も前からドイツ、オランダ、マイアミ、ロサンゼルスなどに輸出してきました。近年になりようやく日本や台湾、シンガポールへの輸出が始まりました。それは、ヴァリッグ・ブラジル航空のリマからのダイレクト便が就航(2003年は運航していない)するようになったことと、ハッポースチロールの箱がブラジル・タバチンガを通って船でイキートスへ入るようになったためです。
貨物をイキートスから輸出した場合、ヨーロッパ、アメリカには約20時間以内で到着するためダンボールの箱での輸出が可能ですがアジア諸国になると貨物の現地到着まで40~50時間かかるためハッポースチロールの箱でないと水温が下がってしまい魚が死んでしまいます。また、水、酸素の量もアメリカ、ヨーロッパ向けのものより3倍の量が必要です。魚は輸送中に水が汚れないように4日前からエサ切りをして輸出日にはコンディションが良い状態の魚のみを輸出します。このため日本に送る魚の貨物はほとんど水と空気を運んでいるようなものです。
日本では1993年頃からトレンディドラマや水槽器具の充実により熱帯魚の飼育ブームが起こりました。私はちょうどその時からイキートスに入って「ナナイ川・プトマヨ川のディスカス、アロワナ・ベビー、1m以上の巨大エイ、ゼブラ・キャットなど」日本では紹介されていない熱帯魚を採取しては日本へ輸出していました。
日本の熱帯魚雑誌「フィッシュ・マガジン」にも写真や記事を掲載してもらい特にナナイ川のディスカスなどは業界で結構話題となりました。
その時から現在に至るまでお世話になった友人や業者の方々をここで紹介させて頂きます。

イキートスの街並

ペルーアマゾン最大の都市イキートスに到着してまず目に付くのがモトタクシー(現地ではモトカーロと呼ぶ)がエンジン音を響かせ、すごい台数で街中を走り回っていることである。モトタクシーとは日本のホンダやスズキのバイクの後ろに屋根付きのリヤカーみたいな物をつけただけのもので市民の足としてどこへ行くにもみんなが利用している。車のタクシーもわずかに走っているがほとんどの車にはエアコンが付いていないためモトタクシーに乗ったほうが風を直接うけるため気持ちがいい。道路脇に立っているとモトタクシーが通るたびに運転手が口笛を鳴らして乗るかどうか聞いてくる。だいたい1~2Kmぐらいの距離であれば1ソル(約35円)ぐらいで乗せてもらえるので2~3人で乗ればかなり安い。

イキートスの日中は中心街でも人影まばらだが夕方になるとどこからともなく人々が集まってくる。友達同士でブラブラと歩いていたり、オープンバーでカップルや若者のグループが酒を飲んだり、アマゾン川脇の公園のベンチに座って通りいく人を見ている人など色々な人がいる。

週末になると道路や公園に野外ステージが組まれテクノ・クンビアというサルサとクンビアを混ぜたビートのある曲が大音量で流れ、それに合わせて女性ダンサーがステージで踊っている。アマゾン川脇の公園では大道芸人が観光客や地元の人相手にパフォーマンスを見せている。この公園で驚いたのがアンデスの高地にいるはずのアルパカというラクダみたいな動物を連れている人がいて子供達と一緒に写真を撮ってはお金を貰っていた。 この人は仕事が終わるとアルパカと一緒にモトタクシーに乗って帰って行ったのには笑ってしまった。

ベレン市場

街の中心部にあるアルマス広場からアマゾン川に沿ってモトタクシーで5分ぐらいのところにベレン(Belen)という名前の地区がある。この中には市場があり、たくさんの小さなお店が所狭しにあってとても賑やかだ。市場内には、アマゾン川で捕れた巨大魚や小魚を売る店、バナナやパパイヤなどのフルーツの店、紙タバコを作って売る店、陸ガメとその卵を売る店、アマゾンの薬用植物を売る店、生きたサルやオウムを売る店、昆虫の食用幼虫を売る店、鶏肉・野菜の店、日用雑貨の店、衣料品の店、そしてそれらを客の目の前で料理してくれる屋台などここにくればなんでも手に入れられる。
 買い物に来ている客の中にアマゾンの動物「ナマケモノ」を抱きながら買い物をしているおばちゃんがいたのには驚いた、写真を撮らしてもらおうと思いカメラを向けたら人ごみの中に逃げてしまった。

動物園と人工湖(キストコーチャ)

アルマス広場から空港方面にモトタクシーで約30分で到着。入場料5ソル(約180円)を払い動物園に入るとまず通路右側のカベにアマゾンの伝説が絵と一緒に何話も描かれている。この伝説を小文庫にしたら面白いだろう。この動物園ではアマゾンに生息する色々な動物や魚たちを見ることができる。園内には池もありパンを入れると世界最大の淡水魚ピラルクが姿を現す。放し飼いされているサルもいてとても楽しい。  動物園を抜けると人工で作られた湖がある、水はあまりキレイではないが地元の人々は週末になると家族や友人ときては水遊びをしている。

イカヤリ川沿いの家々

アマゾン川の支流のひとつであるイカヤリ川沿いの家々は高床式になっていて乾季には床下に地面が現れるが雨季には床下は水に浸かってしまう。雨季の交通手段は各々の家が持っているカヌーを使って移動している。この時期はカヌータクシーの稼ぎ時でもある。
 家横の川の上にはベニヤで周りを囲っただけのトイレもあった。この川では洗濯もするし食器も洗うし子供達は泳いでいるし衛生面はかなり悪そうだ。

この町を訪れた前日大きな火事があり町長や役場の人間がきて現場を検証していた。

イカヤリ川の漁

イカヤリ川でボートに乗ってアマゾン・クルーズをしていると、ちょうど巻き網で漁をしていた。近くに寄って漁を見せてもらうとバンデット・ピラムターバの子供が網に入っている、ここではピラニアより怖いカンジル(ブルーシャーク)もたくさん網にかかると猟師は話していた。下の最後写真はアマゾン川とイカヤリ川が合流するところです。川の色の違いが分かりますか。

アマゾン・フィッシュ社

オーナーのエウニッセ・ビジャコルタさんが経営、写真の緑のTシャツの人は息子のロドルフォさんです。ディスカス、タイガーエイ、ゼブラキャット、珍しいコリドラス・プレコなど比較的、値段の高い魚を多く扱っており日本にも輸出しています。
 またエウニッセさんは女性でありながらイキートス市内てホテルやお店も経営している実業家です。左下の肺魚は後で日本に送ってもらい今は私の家の水槽で元気に泳いでます。黄色のスポットがとてもきれいでしょう。

バイオ・トロピカル社

以前は市内でブルーアクアリオ社を経営していたアルベルト・レブーさんが新たに設立した会社です。現在はイキートス国際空港そばで熱帯魚の輸出とピラルク、エスカルゴ、マタマタ、オウム、イグアナなどの爬虫類の養殖および繁殖場を建設していました。

アクアリオ・サンタフェ社

オーナーでフォアン・ロペスさんが経営しているイキートスでは老舗のシッパーです。最近では年のせいで仕事のほとんどは息子が行っているとのこと。

アクアリオ・コンチネンタル社

空港から車で5分のところにあるオーナーのリカルド・ロドリゲスさんのストック場です。彼とは私がイキートスを初めて訪れた1993年からの付き合いで、かれこれ10年ぐらいの友人です。今でもイキートスを訪れると歓迎してくれ彼の自宅で料理をごちそうになります。
 最初にイキートスに行った時、彼のストック場の水質調査をしたら井戸水からアンモニアが検出されたため私達は市内で一緒に大型タンク、パイプ、石炭を購入して水質浄化装置を作って水質を改善しました。またコロンビアとペルーの国境を流れるプトマヨ川に軍用機をチャーターしてロイヤル・グリーン・ディスカスを採取しに行ったりと大変苦労しましたが今では良い思い出です。

レッド・テール・キャット・アクアリオ社

写真の二人はオーナーのイバン・レンフィーホ(右)とマネージャーのエドワルド・ウォングさんです。ストック場はアクアリオ・コンチネンタル社のそばにあります。
 1991年から営業しておりリマにあるアクアリオ・リマ社とは同じグループの会社です。タイガーエイ、メカネ・エイ、アンテナ・エイなど珍しい魚をストックしていました。

ベレンの漁師村

ベレン市場の横には、猟師村があり家々の中には簡単なイケスが用意されている。ここの猟師たちは思い思いの場所で色々な魚を取ってきては家のイケスでストックしている。熱帯魚輸出シッパーはこれらの猟師村の人々からも魚を購入しては自分のストック場で状態をよくして海外へ輸出しています。
 ここはアントニオ・ロドリゲスさんの自宅兼ストック場です。真中にある写真は電気ウナキです。そののままでは手でつかめないためビニール袋を手に巻いてつかんでみました。

アクアリオ・リマ社

ペルーの首都リマにある大手シッパーです。1958年創業で世界各国にペルー各地で採取した熱帯魚を輸出しています。オーナーはカルロス・サンチェスさんです。